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フェイバリッチタワー品川 タワーマンションの新たな可能性に挑戦。
タワー戦争の真っただ中で。
広さかスペースの多さか、人々が求めるものは。
技術的ネックは20にも及んだ。
100%の満足より120%の満足が感動を生む。
タワーマンションの新たな可能性に挑戦。
 
品川駅から徒歩11分。マンション先進街区のセンターゾーンの一画に『フェイバリッチタワー品川』は建つ。計画総戸数の223戸は、スケールで圧倒する従来のタワーマンションに比べ、あまりにもささやかな規模であった。スタートから瀬戸際に立たされた中で、具現化した業界初のEDIT MADE“エディットメイド”(EDITとは英語で編む・編集するの意味)という新発想。それは、時代と人のニーズを徹底的に見つめた常識破りのソリューションであった。 伊藤忠都市開発(株) 都市住宅事業部 大矢 聡
伊藤忠都市開発(株)
都市住宅事業部
大矢 聡


2007年度グッドデザイン賞受賞
2007年度グッドデザイン賞受賞
タワー戦争の真っただ中で。
 
東京、「品川」。駅前の再開発が進み、東海道新幹線の停車駅となったことで、俄然注目を集めていた。タワーマンションの開発が集中していた湾岸・都心エリアでも有数の激戦区である。タワー慣れした東京で、当時最も熱いエリアが『フェイバリッチタワー品川』の舞台であった。ところが、敷地の南面が大きく開けているという地の利はあるものの、従来のタワーマンション用地に比べ広さが足りなかった。「30階建てとしても、およそ230戸あまりしか計画できない。この地域で競合するタワーマンションには2000戸クラスもありますから、本当に大丈夫?というのが第一印象でした(笑)」。

巨大なスケールを誇る従来型のタワーマンションにいかに立ち向かっていくのか、その日から大矢聡らの頭脳戦がスタートする。
広さかスペースの多さか、人々が求めるものは。
 
タワーマンションはその威容やシンボル性から、それだけで人気を集めやすい。だが、タワーマンションの開発が集中するエリアの真っただ中で、223戸というスケールのタワーはかえって埋没してしまう。従来にない付加価値をいかに高めるか。その魅力が輝いていなければ、事業が失敗に終わりかねなかった。

そこで大矢たちがまず始めに手を付けたのは、同じ湾岸エリアの先行物件である『ラグナタワー』のデータの洗い直しだった。『ラグナタワー』のモデルルームへの来場者はおよそ8,000組。そのうち6割が、いわゆる夫婦二人のDINKS。人気の高い住戸にはどんな傾向があるのか。「その方々の第一希望は、二人暮らしなのに3LDK。結局購入するのは2LDKに落着くケースが多いのですが、そのギャップは予算だけなのか、それ以外に理由があるのか」。ここから大矢らが導き出した仮説は、都市型DINKSは2人共有のスペースと個人を重視したスペースが欲しいというものであった。「約8,000件のデータの分析に加え、実際のマンション購入希望のDINKSのグループインタビューも行ったのですが、ライフスタイルや志向に明確なパターンはないのです。ただ、趣味の部屋が欲しいとか、夫婦別寝室など、広さよりスペースの多さを求めているのは間違いないと確信しました」。
フェイバリッチタワー品川
フェイバリッチタワー品川

フェイバリッチタワー品川 エントランス
エントランス
技術的ネックは20にも及んだ。
 
そこで3LDKを基本線としつつ、プラスアルファの魅力を高めるアイデアが練られていった。ここで再び『ラグナタワー』のデータが生きた。ベイエリアの夜景を楽しみながら入浴できるビューバス付の2LDKの場合は、当初3LDKを希望している方でもあっさりと希望を変更しているのだ。

つまり、スペースの多さを求めるDINKSも、それを超える付加価値があれば、2LDKを選ぶのだ。「ここから、SOHOスタイルやワイドリビングのあるスタイル、全戸ビューバスが採用可能など、それぞれの要望に適合する個性的なプランを一つの住戸で選択できる住まい、という発想が生まれました」。これが業界初のEDIT MADE“エディットメイド”の基本コンセプトである。

ところが、ここで技術的なネックが浮上してしまうのである。従来のプラン変更であれば間仕切りを変更すればいい。しかし、魅力ある個性的なプランを選ばせるためには、各居室の広さや収納、壁の位置までも変える必要があった。とくにビューバスの採用を可能にするためには、窓枠から変えなければいけない。いわゆる外壁に手を付けるマンションというのは、業界の常識を超えていた。検討課題はざっと20に及んだ。それを一つひとつ潰しにかかる。「設計陣には相当無理を言いましたが、やるしかない。それこそ、使命感をもってやり遂げました」。

設計陣の努力は実を結んだ。『フェイバリッチタワー品川』は、各居室の広さや収納、壁の位置、窓枠までも変更可能にすることで、“それぞれの要望に適合する個性的なプランを一つの住戸で選択できる住まい”を実現したのだ。
フェイバリッチタワー品川 グランドラウンジ
グランドラウンジ

フェイバリッチタワー品川 スカイビューラウンジ
スカイビューラウンジ

フェイバリッチタワー品川 ゲストハウス
ゲストハウス
100%の満足より120%の満足が感動を生む。
 
多様なライフスタイルにジャストフィットする“エディットメイド”の具現化は、それまでのタワーマンションの在り方に一石を投じた。単にスケールや非日常性、そして豪華絢爛さを謳うタワーマンションから、より成熟したタワーマンションの価値観を問い直す提案となったのである。「100%の満足ではなく120%の満足こそ感動につながる。そんな思いで挑戦した既成概念への挑戦は、EDIT MADE“エディットメイド”という確かな成果をもたらしました」。

このEDIT MADE“エディットメイド”は、伊藤忠都市開発の住まいづくりの基本である、“まず住む人のニーズから発想する”という哲学を何よりも雄弁に物語るものなのである。
フェイバリッチタワー品川 ゲストハウス(浴室)
ゲストハウス(浴室)
photo
photo (株)竹中工務店
東京本社プロジェクト
竹馬 泰一
(株)フリークス
一級建築士事務所
小菊 健司
(株)竹中工務店
役員補佐
吉井 信幸
伊藤忠都市開発(株)
都市住宅事業部
大矢 聡
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